ロシアの大統領選挙には、プーチン大統領などあわせて4人が立候補し、15日、投票がロシア全土で始まり、17日までの3日間の日程で行われます。
ロシア国営テレビは日本時間の16日未明、プーチン大統領が電子投票で1票を投じた様子を伝えました。
今回の選挙では、軍事侵攻を批判する元下院議員などの立候補が認められず、通算5期目を目指すプーチン大統領の再選が確実視されています。
一方、ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州などでは、ウクライナ側からとみられる越境攻撃が続き、死傷者も出ているとロシア側は伝えています。
攻撃については、プーチン政権に反対し、ウクライナ側に立って戦うロシア人の義勇兵の組織が、越境攻撃を始めたと表明しています。
プーチン大統領は、15日、安全保障会議を開催し、2500人以上の兵士や戦車などによる攻撃だったとして「投票を妨害し、国境地帯の人々を脅すために、数多くの犯罪的な示威行為を実行しようとしている」と述べウクライナによるものだと非難しました。
そのうえで「こうした敵の攻撃が罰せられないことはない」と述べて、ウクライナへの報復を示唆しました。
プーチン大統領としては、ウクライナ侵攻を含めこれまでの路線に国民の信任を得たと示すためにも、選挙で圧倒的な得票で勝利したい考えで、越境攻撃に対し強い態度で臨む姿勢を示しました。
各地の投票所で放火や投票用紙汚す行為 選挙への反発か
ロシアでは15日、大統領選挙の投票が始まった各地の投票所で、投票用紙を汚したり投票所に放火したりするなど、選挙への反発とみられる動きが地元メディアによって相次いで伝えられています。
このうち、首都モスクワの投票所では、女性が投票用紙を記入する台に放火したと伝えられ、監視カメラの映像からは女性が台に近づいたあと、台から火が出る様子が確認できます。
また、モスクワ市内の別の投票所では、投票用紙が投じられた透明な投票箱の中に、女性が緑色の染料とみられる液体を注ぐ様子が映っています。
こうした行為は、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクやシベリアの地方都市の投票所など各地で多発していると伝えられ、ロシアの中央選挙管理委員会は投票を妨害しようとした者は最長で5年の禁錮刑が科されると発表し、警告しています。